この年の一番初めに思いごと

ちあきなおみ・これくしょん」の<名曲をうたう>を聴きながら年越しをしたわけですが、哀しい恋の歌が次々とスピーカーから流れてきまして。

当然ながら人生のなかで恋の時とは実にわずかなものです。それでも歌とは恋に関するものが大半で、しかも昭和に歌い継がれたそれらは哀愁に満ちたものが多いこと。「どれも似たり寄ったりだしそんなネガティヴなもん一曲にまとめちゃえばよくね?」とか思わなくもないですが、そういうものでもないんですね。

どんなに似たようなダメな異性たちを相手にしても、どんなに似たようなダメな恋を繰り返しても、それらの体験は決してまとめられないひとつひとつの恋であり、それらを慰めるには似たようなものであってもその時々で違った歌が必要なのでしょう。

愚かでも、昔の人はそういう風に生きてきたのだと、年始早々思ったのでした。