るーちんわーくひとつおわた

るーちんとはいえ、ものをつくるのはたいへんです。
正直、今とても行き詰まっています。
自分が何をしたいのか分からない。いや、薄ぼらけに分かってはいるんだけど、どうやってそれを人に見せたらいいのだろうとゆうメソッドのところで悩み、悩んでいるうちにもひとつしたいことを思いついてしまったりして、結果、散漫となり、動き出せないのです。
思えば、私が仕事を始めた頃は、「これ面白いかも!」と思ったら一筋に、誰に何を言われようと突き進んできたものです。そういうバイタリティがありました。で、途中いろいろに悩み苦しみましたが、それでもやはり次号のネタを考えるときは楽しく、なんとか二年に渡った連載を円満に終了できたわけです。
だけど、今の私にはそういった力がないのです。一瞬、心の中で沸き上がるものがあっても、例えばコンビニにずらりと並ぶ漫画雑誌を目の当たりにしたとき、また、本屋にてワンフロアごと溢れる漫画の単行本たちを目にしたとき、それは萎え、しぼんで、再び膨らむことなくまた私の心の奥底へと帰っていってしまうのです。
そう。私が描かなくても誰かが描くだろう。これだけ漫画家がいる現在、私でなければ描けないことなどないのではないか。そういう思いが私を占めてしまうのです。


じゃあ描かなければ良い。そうですね。それもひとつの選択肢です。
描くのをやめて、近所のスーパーでレジ打ちの仕事でもして、かつて私の中に様々な物語の種があったことなど忘れたふりをしてふじおを撫でて生きていくのがいいのかもしれません。
でも、そしたら私は、スーパーのレジで出会った面白い人や出来事のことを、どうやって世間に伝えていけばいいのでしょうか。