右手の優越

なんか左利きがどうのこうので揉めたり炎上したりしてるらしい。
国分太一くん、箸は右手で持とうよ
http://www.j-cast.com/tv/2007/06/27008769.html
国分太一くん、オレも左利きなんだ
http://www.j-cast.com/tv/2007/07/02008895.html
このタイトルの流れからいくと次は「国分太一くん、実はオレ君のこと…」かなーとか思ったり。


いや、それはどうでもよくて(まぁ全体的にどうでもいいんだけど)おれも左利きなんだ。
しかも遺伝。父も兄も左利き。
もう一家の長たる(蒸発したけど)父親が左なもんで、右利き矯正なんてまったく説得力がなくて。
母親に「箸は右!」とか言われたけど、まず右と左っていうのがよく分かってなくて、むしろ「箸を持ってる手が右なんだ!」とか解釈しちゃったりした結果、左右がよく分からない大人が出来上がってしまいましたー。
でも実際、あんまり困らないよね。自動改札通る時とかは、手クセで左ポケットにカード入れてたのを、右手でまさぐって不審な動きになっちゃうけど。そもそも左右の概念があいまいだから、やりやすい方で順応しちゃう。
右手に箸、左手にペン持って飯食いながら勉強とかしてたし。今も右手にマウス、左手にペンタブ持って漫画描いたりしてる。ん、コレってもしかして両利きって言うのかしら?


まあ確かに左利きって、お行儀は悪いかもしれないけど、お行儀だけの問題だよなーと思う。
お行儀ってのはつまりそのコミュニティ内での儀礼的常識なわけだけれども、そういった常識に過剰に固執することで何か別の大事かもしれないものを失ってしまうことはよくあるよな。
たまたま昨日読んだ本に、明治維新前夜の日本で、あまりに裸で往来を闊歩する男女が多いのに西洋人がアレルギーを示すってエピソードが書いてあったんだけど、まさにそんな感じ。アメリカとかイギリスとかの偉い人が「シンジラレナーイ! 日本人って実直そうに見えて淫蕩な民族なのね!!」とか「近代国家の仲間入りしたいなら服を着るベキヨー」とかゆって日本人たちの裸を、「そうゆう目」で見る。その瞬間、日本人たちの中で深い意味をなしていなかった裸が、ある意味を持ち始めて恥ずべきものとなってしまう、とゆうお話。
上の文章書いてるおっさんの目は、そうゆう西洋人の目と似ている。
本人にとって大した問題ではないことを問題化して、攻撃して、矯正しようとする。かつて自身もそういった目に遭ったとゆうのに。まるでそんな過去などなかったかのように、いや、むしろそんな過去のおかげで自分は「問題ない人間」でいられるとでも言うように。
しかしその「問題ない人間」になるための矯正によって、壊されてしまうものもあるんだよ。あの時の西洋人たちのせいで、おれが松山くんのおちんちんを見ることは困難になったし、いや、そんなもんならまだいいんだけどね。