42歳で気が狂う

ども! 最近めっきりやつれてハルベリーに似てきたと思い込んでいる可哀想な31歳ケツでかおばはんです!
ハルベリーといえば『チョコレート』だけど、タイトルとパッケージの雰囲気からなんとなくシャレオツなアラサー女子の立身譚、シアワセを探しちゃう系の映画だと思って観たら、結構ガチな男性のミドルエイジクライシス話でしたね! バイト先のママの占いで「42歳で気が狂う」と断言されたのは私の交際男性ですが、だいたいの男性って42歳くらいで気が狂いますからね!
ただ怖いのは、当の男性たちが「42歳で気が狂う」とは37歳くらいまで思ってもいないところなんですよね。下手すると気づかないまま気が狂っちゃう人もいる。問題意識を持ってないから、直面するまで他人事だし、「チョコレート」みたいな映画を観てもへぇっとしか思わなかったりする。


要は「老いを知る」ことなんだけどさ。気力体力共に衰えるものだということ、自分の今までのやり方が通用しなくなる時が来るということ。そういう意味では女性は、出産との兼ね合いでイヤというほどタイムリミットを意識せざるを得ないし、若い女の子との競争で自分の限界を思い知らされる機会が多い。あとゲイの男性は、ヘテロの男性のようなステレオタイプなライフスタイルを想定しづらいし、性的な競争も厳しいからそこらへん、自覚的だよね。初老のゲイ男性の恋愛沙汰を書いた伏見憲明さんの『百年の憂鬱』なんか読むと、ゲイの人に限らず当てはまる問題があけすけに描かれててすーごく面白いんだけど、読んだほうがいいと思われる当の中年男性(ヘテロ)たちは自分の問題として捉えられないというね。ああだんだん中年男性たちが可哀想になってきたわ。


別に分かってるほうがえらいとかそういうことを言うつもりはないんだけど、分からないまま問題に絡めとられて妻や娘やあるいは恋人愛人その他を無自覚に巻き込むのには腹が立つしさ。「チョコレート」ではヒースレジャー死んじゃうしさ。


おしなべて人生に悔恨はつきものだけれど、まどマギのさやかみたいに「後悔なんてあるわけない」っていう生き方をする人には、「人生は有限だ」という事実に対する客観と主観の葛藤と、覚悟があると思うんですわ。


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それでも恋はやめられない:伏見憲明『百年の憂鬱』